<遺言の書き方③>遺言は封筒にいれるべき!?解説します!

こんにちは。こうづ行政書士FP事務所 行政書士の髙津です。
自筆証書遺言を書いた後、封筒にいれるべきかどうか、お客様から質問を受けることがあります。
以下で、書いてみたいと思います。

目次

ご相談事例

自筆証書遺言を作成したのですが、封筒に入れなければいけないのでしょうか?
また、封筒にはどのような記載をすればよいのでしょうか?

ご回答のポイント

結論からいいますと、封筒に入れるか、封緘するかは遺言者の自由です。
ですが、秘密の保持や偽造変造の防止、保管上の便宜などのため封筒に入れて封緘する方がよいです。
封筒の表書きには「遺言書」や「遺言状」などと記載し、
裏には「開封厳禁。この遺言書を発見した者は、相続開始後遅滞なく家庭裁判所に提出して遺言書検認の申立てをすること」などと記載しておきましょう。

ご解説

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自筆証書遺言は封筒にいれるべきか?

自筆証書遺言を封筒に入れるかどうかについては特に法律では決められていませんので、
封筒を作成するか、封緘するかはすべて遺言者の自由です。
しかし、相続開始前に遺言の内容が相続人に知られてしまうと紛争やトラブルを招くこともあります。
また、遺言書が何者かに偽造・変造されてしまったり、紛失してしまっては、せっかく遺言書を作成しても相続開始後に遺言者の意思を反映することができなくなってしまいます。
そこで、秘密の保持や偽造変造の防止、保管上の便宜などを考えれば、
作成した遺言書を封筒に入れて封緘しておくのが賢明といえます

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自筆証書遺言の封筒に書くこと

発見した人が誤って捨ててしまうことを防ぐためには、封筒の表書きには「遺言書」あるいは「遺言状」というように、
自筆証書遺言が封入されていることが一目瞭然となるような文言を記載しておくと安全です。
また、封印のある遺言書を発見した者は、家庭裁判所に遺言書検認の申立てをして、家庭裁判所で相続人又はその代理人の立会いの下で開封しなければなりません。
家庭裁判所以外で開封してしまうと、5万円以下の過料に処せられてしまいます。(詳細は以下コラムをご参照ください。)
そこで、遺言書の裏面には、
「開封厳禁。この遺言書を発見した者は、相続開始後遅滞なく家庭裁判所に提出して遺言書検認の申立てをすること」などと記載しておくと、遺言書を発見した者が不用意に開封してしまうことの予防となります。

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自筆証書遺言の封筒上に押印を!

結論、封筒にも押印してください(遺言書へ押印した印鑑と同じ印鑑で押印してください)。

自筆証書遺言には押印が必要ですが、遺言書を入れる封筒への押印については法律で定められてはいません。
しかし、遺言書への押印を要求する法の趣旨は、文書の完成を担保するところにあります。
この点に関し、判例は、遺言書自体には押印がなくても、
封筒の封じ目に封印がある場合には、封筒の封じ目の押印は遺言書を封筒中に確定させる意義とともに遺言書が完結したことを明らかにする意義も有しており、上記の趣旨を満たしているため、自筆証書遺言書として有効であると判断しました。
上記判例に従えば、遺言書を入れた封筒の封じ目の封印をもって、遺言における押印とみなすことができることになります。
もっとも、財産目録を自書ではなくパソコン等で作成した場合には、目録の一枚ごとに署名押印する必要があり、
封筒の封じ日の封印のみでは足りません。
詳細は、以下コラムをご参照ください。

まとめ・所感

自筆証書遺言の場合は、封筒に自筆証書遺言を封していること、開封厳禁であり検認の申立てをすること等を記入し、封筒にいれ封を
してください。
自筆証書遺言は費用をかけずに手軽に書くことができる一方、偽造変造等されてしまうリスクがあります。
封をすることによって、このリスクを低減させることができますので、せっかく遺言書を書くのであれば、是非封していただきたく思います。

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