受付時間:9:00〜17:30
健康保険被保険者が亡くなった…埋葬料を請求できるって本当!?
こんにちは。こうづ行政書士FP事務所 行政書士の髙津です。
ご相続が発生し、ご葬儀を執り行なった後は、多くの場合埋葬となりますが、
全国健康保険協会の被保険者は、埋葬料(埋葬費)を請求できることをご存知でしょうか?
また市区町村(国民健康保険)に対しては、葬儀費用の請求ができますので、以下コラムをご覧ください。
実例をもとに、以下簡単にまとめました。
ご相談事例
私の父は、長い病気療養の末、先月入院先で亡くなりました。
母が喪主となって、埋葬を行いましたが、残された遺族に健康保険から支給されるものはあるでしょうか?
父は全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入していたようです。
内容と手続きを教えてください。
ご回答
被保険者が死亡した場合、その者に生計を維持され、埋葬を行う者が、埋葬料を全国健康保険協会に請求することができます。
埋葬料の請求者は被扶養者である必要はなく、被保険者との生計維持関係は、生計の一部でも依存していた事実があれば良いです。
また一定の親族関係、同一世帯の関係も必要ありません。
(上記に該当しない場合は、STEP2をご覧ください)
資格喪失後の死亡に関する給付について
以下に該当する場合も、被保険者により生計を維持していた者のうち、埋葬を行う者が埋葬料を受給することができます。
・被保険者の資格を喪失して3ヶ月以内の死亡
・資格喪失後の傷病手当金・出産手当金等の継続給付を受けている間の死亡
・資格喪失後の継続給付を受けなくなって3ヶ月以内の死亡
(STEP2の場合も同様です)
- 必要書類
-
①死亡を確認するため次のうちいずれか1つ
被保険者の死亡に関する事業主の証明書、埋葬許可証の写し、火葬許可証の写し、死亡診断書の写し、死体検案書の写し、
検視調書の写し、死亡者の戸(除)籍謄(抄)本(戸(徐)籍全部(個人)事項証明書)、住民票の写し
②被扶養者以外が申請する場合、次のうちいずれか1つ
住民票の写し(死亡者と請求者が記載されているもの)、定期的な仕送りの事実がわかる預貯金通帳や現金書留の写し、
死亡者が請求者の公共料金等を支払ったことがわかる領収書の写し、死亡した被保険者の賃金台帳の写し、
源泉徴収票の写しまたは課税台帳等の写し
③被保険者のマイナンバーを記載した場合は、マイナンバーカード等 - 申請時期
-
死亡した日の翌日から2年以内
- 申請者
-
死亡した被保険者に生計を維持され、埋葬を行う者
- 申請先
-
事業所を管轄する全国健康保険協会(都道府県支部)
- 受給額
-
5万円
身寄りのない被保険者が死亡した場合で知人、近隣者等、実際に埋葬を行った者も請求者になることができます。
また、死亡した被保険者とまったく生計維持関係がなかった親族が埋葬を行った場合も請求者となります。
ただし、埋葬に要した費用となる、霊柩車代・火葬料・死亡霊前供物代・僧侶への謝礼等の領収書の添付が必要ですので、
必ず保管しておいてください。
- 必要書類
-
①死亡を確認するため次のうちいずれか1つ
被保険者の死亡に関する事業主の証明書、埋葬許可証の写し、火葬許可証の写し、死亡診断書の写し、死体検案書の写し、
検視調書の写し、死亡者の戸(除)籍謄(抄)本(戸(徐)籍全部(個人)事項証明書)、住民票の写し
②埋葬に要した費用の金額に関する証拠書類(領収書、費用の明細書)
③被保険者のマイナンバーを記載した場合は、マイナンバーカード等 - 申請時期
-
埋葬を行った日の翌日から2年以内
- 申請者
-
埋葬を行った者
- 申請先
-
事業所を管轄する全国健康保険協会(都道府県支部)
- 受給額
-
埋葬に要した費用で5万円以内
資格喪失後の死亡に関する給付については、STEP1と同様です。STEP1をご参照ください。
まとめ・所感
全国健康保険協会(協会けんぽ)は国内最大規模の保険事業を運営する保険者で、加入者は、
中小企業およびその事業所に雇用される労働者とその家族です。約4,000万人が加入しています。
故人が全国健康保険協会(協会けんぽ)の被保険者であった場合は、申請漏れがないようご注意ください。
また、上記内容は、変更となることもあります。
申請する際は、全国健康保険協会のホームページをご覧いただくか、事業所へお問い合わせください。