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110万円の贈与の非課税枠とは!?暦年課税制度のメリット・デメリット
こんにちは。こうづ行政書士FP事務所 行政書士の髙津です。
暦年課税制度では、年110万円をあげても(贈与しても)、非課税となります。
ただ、この制度の活用には注意すべきことがありますので、メリット・デメリットについてご説明します。
目次
メリット・デメリット
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メリット
- 受贈者1人当たり年間110万円までは贈与税が非課税となり、かつ相続財産も減らすことができます。
この非課税額は、1年間に複数の者から贈与を受けた場合であっても、受贈者1人当たり年110万円ですので、
ご注意ください。あくまでも、受贈者が受けた贈与額の合計が110万円以内であれば非課税です。 - 計画的に利用すれば、少ない税負担で多額の財産を移転できます。
例えば、毎年110万円を10年間にわたって贈与すれば、1,100万円の財産を無税で移転することができますので、
効果が大きいです。 - 贈与があった年の税法によって課税されるため、将来の税制改正等に左右されません。
- 任意のタイミングで相続時精算課税制度へ移行できます。
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デメリット
- 短期間の対策で減らせる相続財産は少額です。
贈与税の税率は、基礎控除後の課税価格が3,000万円を超えると最高税率の55%が適用となり、非常に高いです。
なので、一度に多額の財産を贈与するときには、注意が必要です。
また、相続開始前7年以内(※)の贈与については、その財産の価格は相続税の課税価格に加算される場合がありますので、
長期間にわたって、計画的に贈与していく必要があります。
(※)令和6年1月1日以後に受けた贈与について、相続開始前3年間の贈与の加算期間が7年間へ延長されました。
ただし、延長された4年間に受けた贈与については、総額100万円までは相続財産に加算されません。 - 10年や15年といった長期の贈与の取り決めをすると、「定期金の贈与」とみなされ、
一括して贈与税がかかることがあります。
例えば、10年間にわたって、110万円ずつ贈与するという契約をした場合、1年ごとに贈与税の計算をするのではなく、
契約時に一括して1,100万円の贈与があったものとして、贈与税が課せられますので、注意が必要です。 - 贈与後7年以内に贈与者が死亡した場合、贈与財産が相続財産に加算されてしまい、相続税額を減らすことができません。
令和6年1月1日以後に受けた贈与について、相続開始前3年間の贈与の加算期間が7年間へ延長されました。
(ただし、延長された4年間に受けた贈与については、総額100万円までは相続財産に加算されません)
一方、
・相続人以外の者(孫等)に贈与した場合(遺贈により財産を取得した場合は適用)
・相続又は遺贈で財産を取得しない場合
には、この規定の適用がされないため、これらの者へ贈与するということも考えられます。
まとめ・所感
暦年課税制度は年110万円までが非課税ですので、金融資産が多く、相続税が多額にかかる場合等は、
長期間の年数をかけて計画的に実行していかなければなりません。
また、上記デメリットにも書きましたが、「定期金の贈与」とみなされて、その計画が無になってしまうことがあります。
税務調査では必ずといっていいほど、ここは見られますし、ここで指摘を受け追徴を取られるケースはかなり多いです。
事前に専門家へご相談いただいたほうが、ベターかと思います。