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住んでいた家の土地の相続税が安くなる!?小規模宅地の特例を活用しよう!
こんにちは。こうづ行政書士FP事務所 行政書士の髙津です。
相続開始の直前に、被相続人等が住んでいた宅地等で、
一定の要件に該当する被相続人の親族が、相続または遺贈により取得したものについては、
宅地の評価が減額となり、相続税が減ります。
この特例は、非常に大きい減額となりますので、是非活用されてください!
メリット・デメリットについてご説明します。
目次
メリット・デメリット
STEP
メリット(効果)
特定居住用宅地等の要件を全て満たせば、330㎡以下の部分に対応する宅地等の評価額を80%減額でき、
相続税が軽減されます。
STEP
デメリット(注意)
- 主として居住していた一つの宅地等にしか適用できません。
居住用の宅地が複数ある場合、評価減の対象となる宅地は主として居住の用に供されていた一の宅地等に限定されます。 - 被相続人が入院していた場合や老人ホームに入所していた場合の取扱いに注意しなければなりません。
・被相続人が入院していた場合
住んでいた建物が他の用途に使用されていなければ、
生活の拠点は入院直前の自宅であるとされ、この特例を受けることができます。
・被相続人が自宅を離れ老人ホームへ入所していた場合
一定の要件が満たされた場合(※)に限り、 特例の対象となります。
(※)平成26年1月1日以後に開始した相続につき、以下の要件が満たされた場合に限り、特例の対象となります。
①介護が必要なために入所したものであること
②入所後の家屋を貸付け等の用途に供していないこと
また、適用対象となる老人ホームについては、
「要介護認定または要支援認定を受けていた被相続人が次の住居または、施設に入居または入所していたこと」
とされ、改正により明文化されました。
・認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居
・養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム
・軽費老人ホーム
・有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・介護医療院
・サービス付き高齢者向け住宅(上記の有料老人ホーム除く)
・障がい者支援施設または共同生活援助を行う住居
なお、介護認定の判断時期についても、入所時に認定されていなくても相続発生までに認定されていれば
よいとされています。 - 二世帯住宅は区分所有登記の有無により取扱いが異なるため注意が必要です。
従来は、構造上完全に区分されている二世帯住宅は、内部で自由に行き来できないため、同居と認められず、
被相続人が居住の用に供している部分に該当する宅地にしか適用が認められませんでした。
改正により、平成26年1月1日以後に開始した相続については、
「建物の区分所有等に関する法律第1条の規定に該当する建物(※)」である旨の登記がされていないものに限り、特例が適用がされます。
(※)区分所有建物である旨の登記がされている建物をいいます。 - 一つの宅地等について共同相続があった場合は、取得者ごとに適用要件の可否を判定しなければなりません。
取得者の要件が少し複雑です。
<取得者の要件>
被相続人が住んでいた宅地で、以下要件に該当する被相続人の親族が相続または遺贈により取得したもの
配偶者の場合:条件なしで取得可能
同居していた親族の場合:相続開始時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に住み、所有すること
同居していなかった親族の場合:以下、すべてを満たすこと
・被相続人に配偶者がいない
・被相続人と同居していた相続人がいない
・相続開始前3年以内に日本国内にある、取得者、取得者の配偶者、3親等内の親族または
取得者と特別な関係がある一定の法人が所有する家屋に住んだことがない
・相続開始時から相続税の申告期限まで、引き続きその宅地等を所有する - 1棟の建物が複数の利用区分に分かれている場合は、利用区分ごとに按分した上で減額割合を計算しなければなりません。
- 特例の適用要件を満たすように遺産分割をしなければなりません。
- 特例対象宅地等が複数ある場合、適用する宅地の選択に注意してください。
メリットが大きい宅地を選択すべきということです。 - 二次相続での特例適用も考慮して遺産分割や特例適用宅地等の選択を行った方がよいです。
特例による税額軽減効果が大きくなるためです。 - 原則として、相続税の申告期限までに遺産分割されていない宅地等には適用できません。
- 物納する宅地等に特例を適用すると収納価格が下がってしまいます。
物納財産を国が収納するときの価格は、原則、相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価格です。
なので、小規模宅地の特例適用後の価格となります。
まとめ・所感
小規模宅地の特例が適用されるかどうかは、他にも要件がありますので、こちらをご確認ください。⇒タックスアンサー
一次相続でも二次相続でもこの小規模宅地の特例が適用になれば、大きな軽減効果が期待できます。
二次相続までの試算をした上で、遺言書を書いておくと良いと思います。
とはいえ、税額軽減効果に比重をおき過ぎて、遺産の分け方で相続人同士が揉めてしまっては、元も子もありません。
相続対策・相続税対策は、個別事情にてバランス良く進めることがとても大事ですので、ご注意ください。
ご不明な点等ございましたら、当事務所にお問い合わせください。