贈与が相続資産に加算されない方法がある!?生前贈与加算の非対象者への贈与!

こんにちは。こうづ行政書士FP事務所 行政書士の髙津です。
相続開始前7年以内(※)に贈与があった場合には、その贈与財産は相続税の課税価格に持ち戻し(足されてしまう)されてしまいます。
ただ、この規定の対象となるのは、相続又は遺贈により財産を取得した者に限られることはご存知でしょうか?
以下、メリットとデメリットを書きます。
相続税節税に効果が高いやり方でもあるので、ご活用ください。
(※)令和6年1月1日以後に受けた贈与について、相続開始前3年間の贈与の加算期間が7年間へ延長されました。
ただし、延長された4年間に受けた贈与については、総額100万円までは相続財産に加算されません。

目次

メリット・デメリット

STEP

メリット(効果)

  • 相続人以外の孫(遺贈を受けない孫)や、相続人であっても財産を取得しない者に対する贈与は、
    相続税の課税価格に持ち戻しされません。

    効果的な相続税対策となります。
  • 孫等への贈与の場合、世代を飛ばしての贈与となるため、相続税の支払機会が減り、総支払額が少なくなります。
  • 贈与者が7年以内に死亡しても、贈与分を確実に相続財産から除外できます。
    (令和6年1月1日以後に受けた贈与について、相続開始前3年間の贈与の加算期間が7年間へ延長されました。
    ただし、延長された4年間に受けた贈与については、総額100万円までは相続財産に加算されません。)
  • 遺贈と異なり、生前に贈与者がその意図を関係者に説明できます。
  • 贈与であるため、相続時に発生する相続税の2割加算が適用されません。

相続税の2割加算とは…
相続又は遺贈により財産を取得した者が、
その相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(代襲相続人である孫含む)及び、配偶者以外の者である場合には、
その者に係る相続税額は、通常の相続税の金額に2割に相当する金額が加算されます。
つまり、孫が代襲相続人でない限り、
孫が相続または遺贈により財産を取得した場合は、2割加算の対象となることから、
生前贈与により財産を移転したほうが効果的です。

STEP

デメリット(注意)

  • 孫に贈与するよりも、配偶者や子が相続した方が有利になる場合もあります。
    あくまでも、損得勘定のみを考えた場合ですが、相続税の実効税率次第では、
    配偶者や子が相続した方が有利になる可能性があるということです。
  • 法定相続人でなくても、遺産を取得した者への贈与は生前贈与加算の対象となります。
    上記STEP1にも記載の通りです。
  • 非課税枠以上を贈与する場合には、贈与税を支払わなければなりません。
  • 法定相続人以外の者への財産贈与が相続争いの原因になることもあります。
    例えば、特別受益です。
    被相続人から特別の利益を受けていた者は、遺産分割時に特別受益による持ち戻しの可能性があります。
    一方、代襲相続人でない孫への生前贈与等は特別受益の対象外ですが、過度な贈与があった場合等では、
    相続人間で問題となるケースもあり、注意と配慮が必要です。

まとめ・所感

今回の議題は、意外と知られていないのですが、内容がわかりやすく節税効果が高いものとなりますので、
ご検討の一つにいれていただくとよろしいかと思います。
一方デメリットでも書きましたが、過度な贈与は逆効果になる可能性もあり、ご自身の財産から相続税を試算し、
どの程度の贈与であれば効果があるのかを見極めておくことが大事です。
また、贈与には非課税枠があり、非課税枠を超えると贈与税がかかります。
贈与税は税率が高いのでご注意ください。
以下が、暦年課税制度のコラムです。ご参照ください。

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