意外と知らない!遺言でできることとは?解説します!

こんにちは。こうづ行政書士FP事務所 行政書士の髙津です。
近年、”終活”という言葉が広まり、その一つの活動に、『遺言を書いておく』ということはかなり有名になったと思います。
でも、この遺言には書いて有効になるものとならないものがあることをご存知でしょうか?
意外と知らない方が多いのでまとめたいと思います。

目次

遺言に書いておくと有効になるもの

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法定遺言事項とは?

題名からいきなり難しい表現ですみません。
簡単にいいますと、遺言に書いて効力があるのは、法律に書いてあることだけ!ということです。
大前提としてなのですが、遺言には何を書いてもいいです。遺言を書く人の自由ですので。
自由に書いた中で、効力があるのが、法律に書いてあることだけに限定されるということです。
では、何に限定されるのか、以下の通りです。

〇相続に関する事項
 ・推定相続人の廃除とその取消し
 ・相続分の指定又は指定の委託
 ・特別受益者の相続分に関する指定
 ・遺産分割方法の指定又はその委託
 ・配偶者居住権の設定
 ・遺産分割の禁止
 ・共同相続人間の担保責任の定め
 ・遺贈の遺留分侵害額負担方法の指定

〇財産処分に関する事項
 ・包括遺贈及び特定遺贈
 ・一般財団法人の設立
 ・信託の設定

〇身分に関する事項
 ・認知
 ・未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定

〇遺言執行に関する事項
 ・遺言執行者の指定又はその委託

〇 その他
 ・祭祀承継者の指定
 ・保険金受取人の指定又は変更

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遺言の対象となる財産は?

当たり前の話かもしれませんが、相続・遺贈の対象となるのは、被相続人ないし遺言者の財産です。
つまり、その被相続人ないし遺言者個人の財産です。
例えば、会社の代表取締役だったとして、会社の財産の処分について遺言で定めることはできません。
もし記載したとしても無効となります。

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法定遺言事項以外の記載について!

遺言書に記載された「生命保険金受取人の変更」を有効なものとして認めた判例があります。
この判例は、そもそも保険金受取人の変更という行為が保険契約者の一方的意思表示によって
効力が生じるとされているということから、遺言の効力は遺言者の死亡によって生ずるものの、
意思表示自体は生前に行われているのであり、死亡までに受取人変更権が行使されていると解されると判断されました。

難しいですよね…
要するに、生前に生命保険受取人変更の意思表示を遺言でしてるわけだから、それは有効でしょ!ということです。

一方、遺言書の中に例えば「葬儀は簡素に行うこと」「遺体の臓器は医療機関に提供してください」という記載があった場合、
このような記載については、遺言者の意向として明らかでも、上記のような事情もないので、
原則どおり法的な強制力はないことになります。
法定遺言事項以外の事項の実現を望むのであれば、生前から家族などとよく話し合って理解を得ておくことが大切です。

まとめ・所感

遺言書の効力が発生するのは、亡くなった後ですし、その遺言書をみるのは相続人です。
なので、原則、遺言書には法律で定められたもの以外書くべきではありません。
自由に書いてしまった場合、相続人同士で見解の違いが生まれ、揉めることとなり、遺言書を書いた意味がなくなってしまうからです。
『遺言書は”遺書”ではない』ということが、お分かりいただけたのではないかと思います。
一方、なぜこの遺言書の内容にしたのか、その理由を書く『付言事項』というものがあります。
これは相続人への手紙のようなもので、効力はないのですが、相続人に一定の理解を得てもらうために有効な手段です。
付言事項については、書くことを検討されることをおすすめします。
詳細は以下コラムをご参照ください
法律用語は難しいです。ご不明な点等ございましたら、当事務所へお気軽にお問合せください。

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